部会長所信 

一般社団法人神奈川県トラック協会 青年部会

2024年度 部会長 近藤智平

部会長所信『未来を、その手に』

 

 

(一社)神奈川県トラック協会青年部会は1989年の設立以来、多くの諸先輩方の想いを連綿と継承し、現在に至っております。まずは部会長就任にあたり諸先輩方の御功績に敬意を表し、想いを紡ぐ重責を果たすことを、約束申し上げます。

昨年5月、新型コロナウイルス感染症は5類相当に引き下げられ、経済活動が再度活性化する契機となりました。しかしながらロシアによるウクライナ侵攻に加え、パレスチナ自治区はハマスによるイスラエルとの衝突、中国不動産バブルの崩壊と、依然として続く物価高騰など、世界経済は混迷を極めた状況です。

国内経済についてはコストプッシュ型のインフレが始まり、実質GDPの上昇率を名目GDPの上昇率が大きく上回りました。消費が停滞していないのは良いことですが、賃金の上昇を伴わないインフレは相対的に貧しくなってしまうため、価格と賃金の引き上げが可及的速やかに求められる時代となりました。

物流業界に於いては『2024年問題』と呼ばれる、働き方改革関連法に伴う時間外労働の規制強化が始まります。抜本的な時短政策を行うために、輸送形態や輸送単価を更改、延いては人材不足解消のために、従業員の賃金水準を向上させる必要があり、事業者は否応なく荷主企業との交渉や内部の改革を迫られる年となります。

近年の環境変化を鑑みると、パラダイムシフトは既に始まっています。この変化を「わからない」「できない」と、我々青年世代が言ってしまったら何も変えることはできません。知識を生まれ持ってくる人はいません。初めからわかっている人なんて存在しないのです。それを踏まえて「わからない」ことや苦手意識を無くすことが肝要です。問題や変化を可視化し『みえる、わかる、できる、かわる』サイクルを作り出し、「わかるからできる」、「できるから変わる」を習慣化することが求められます。前向きな姿勢こそが自身を、組織を成長させる力になるのです。

青年部会は『トラック業界、経済社会ともに大きな転換期にある時「業界を担う次世代の人材を育てる為に」』設立されています。まさに、今のような業界や経済の転換期にこそ、我々青年世代が集い学び、企業または業界を牽引する力を養うことが求められているのです。そして混迷の時代だからこそ、諸先輩が創設した原初の想いを再度紐解き、青年部会活動が迷いを見せず真っ直ぐ前に進むため、原点回帰をする必要があります。当時と現代は技術、ノウハウ、環境が違います。しかし、背景も目的も変わってはいません。

本年度は、原初の目的に立ち返り、新しい時代のやり方を模索し、新たな経験と新たな価値と力を創出する組織運営を目指します。

青年世代には時間があり、未来を創る知識や技術を磨くことができます。どれほどの苦境であっても必ず乗り越え、社員と企業の未来を明るく照らすことは使命なのです。

時間は『投資』『消費』『浪費』しかなく、そして青年部会活動は、投資でなければなりません。目的無く参加することは時間の浪費であり、人生の無駄遣いになります。企業からご参加いただく会員皆様の時間を浪費させるような会であってはなりません。参加する目的、意味を明確にする責任を果たし、会議、研修、社会貢献等各種事業へ参加することで得られる学びの充実を図ります。

2024年度、スローガンは『未来を、その手に』といたします。明珠在掌。私たちは無限の可能性を秘めており、全ての困難を跳ね除ける力を持っています。活動の全てが、会員のより良い未来につながるよう、あらゆる角度から「今まで以上」を追求いたします。ご参加される会員には必ず心で納得いただき、必ず良いものが残るよう、私が諸先輩方にしていただいたよう報恩謝徳の想いで部会運営を行って参ります。

1年間の活動に際し、皆様に良き一年を過ごしていただくための覚悟は決まっております。何卒、一層のご理解、ご協力、ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げ、私の部会長所信とさせて頂きます。

2024年4月1日

一般社団法人神奈川県トラック協会青年部会

2024年度部会長 近藤智平