令和6年度 神奈川県への予算要望に対する回答について

令和5年7月18日に自由民主党神奈川支部連合会を通じて神奈川県へ要望した回答について示されましたのでお知らせいたします。

1.燃料高騰支援措置について

(要望内容)

 燃料価格の高止まりは、今後も続くと見込まれることから、トラック運送業界が国民の暮らしと企業活動を支えるライフラインとして存続していくためにも、燃料高騰に対する支援策の実施について図られたい。

(産業労働局からの回答)

 県では、エネルギー・原材料価格高騰等の影響を受けた中小企業者等が新たな商品の開発や提供、新たな生産方式や販売方式により生産性向上を図る、ビジネスモデル転換への補助事業を実施するとともに、過去に補助した事業者に対して、経営や技術の専門家を派遣し、継続的にフォローアップを実施しています。

 また、県は、県制度融資においては、原油・原材料高騰等の影響を受けた中小企業者等を対象とした「原油・原材料高騰等対策特別融資」を令和4年3月に新設し、中小企業者等の事業継続を支援しています。

 さらに、県では、燃料価格が急騰する中、特に影響を受ける中小貨物運送事業者に対し、激変緩和措置として令和4年度に燃料価格の高騰分について支援金を交付してまいりました。

 しかし、本来であれば燃料価格の高騰分は運賃に価格転嫁されることが望ましいため、適正な運賃での取引について、荷主である親事業者に要請するなどして、引き続き地域経済のインフラとして重要な役割を担っている貨物運送事業者を支えてまいります。

 なお、燃料油の価格安定に向けては、国が責任を持って全国統一的な対応を実施するよう、全国知事会を通じて国に要望しています。

2.人材確保対策による免許資格取得支援について

(要望内容)

 「大型自動車一種運転業務従事者育成コース」等の継続実施と、中型免許・準中型免許等育成コースの新設及び定員増加、並びに受験資格取得のための特例教習費用の助成制度の新設。

(産業労働局からの回答)

「大型自動車一種運転業務従事者育成コース」は、県としても継続実施に向けて計画しておりますが、「大型自動車一種運転業務従事者育成コース」を実施できる自動車教習施設は県に5校と限られるため、国が定める委託訓練実施要領の受託者の継続要件に当てはまらず、継続実施が困難な場合があります。そのため、同コースが円滑に実施できるよう受託者の継続要件の改善について、国に要望してまいります。

 また、「中型免許・準中型免許等の育成コース」については、国の要領に定められていないため、現状、新設することはできませんが、国に対し、委託訓練実施要領の改正を要望し、国が中型免許等取得コースも実施可能とした場合、本県においても実施を検討してまいります。

 なお、特例教習を含む費用助成につきましては、現在、県では実施を検討しておりませんが、国において、若年ドライバーの確保に向け、教育訓練給付金や人材開発支援助成金の事業を実施しています。

3.交差点での交通事故防止に係る信号機の歩車分離式への移行について

(要望内容)

 神奈川県内における死亡事故では、交通弱者と呼ばれる自転車や歩行者を巻き込む交差点事故は依然として後を絶たない。当協会では、「トラックの構造上の特性」を再認識するよう運転者を指導するとともに、一般県民に向けては、「スケアード・ストレート方式によるトラックの交通安全教室」等を開催し、死角・内輪差の特性を理解するよう交差点事故の再発防止対策の徹底を図っているが、神奈川県では交差点事故防止に有効とされている「歩車分離式信号」の普及促進を図って頂きたい。また、県内の不鮮明になっている道路標示については、重点的に横断歩道等の不鮮明な道路標示の補修を行っていると承知しているが、現在も不鮮明な道路標示が散見されるので、事故防止の観点から継続して道路標示の補修を引き続き行って頂きたい。

(警察本部からの回答)

 歩車分離式信号機の整備に当たっては、交通量や交通事故の発生状況、地域住民・関係行政機関の意見・要望等を総合的に勘案した上で、その要否を判断しております。

 横断歩道等の道路標示については、限られた予算の中で少しでも多く補修できるよう、ライフサイクルコストの低減や効率的な予算執行に努めるとともに、速やかな補修に努めてまいります。

4.2024年問題への対応に向けた荷主・消費者への意識改革・行動変容の促進について

(要望内容)

「2024年問題」に対する荷主企業及び県民の認知度はまだ不十分であるため、国が取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」を基に、荷主企業および県民に向け広報誌等を通じ更なる普及について促進を図られたい。

(産業労働局からの回答)

 県では、物流を地域経済や県民生活を支える重要な社会インフラであると認識しており、「物流革新に向けた政策パッケージ」については、県ホームページを通じて周知しています。

 この、ホームページでは、荷主企業に対して、荷待ち・荷役時間の削減や標準的な運賃制度の徹底などの取組を、また、消費者に対しては、再配達の削減などの取組を呼びかけ、意識改革・行動変容を促しています。

 今後は、業界団体とも連携するなどして、さらなる周知を行い、物流負荷の軽減に取り組んでいきます。

※参考 神奈川県HP<物流革新に向けた動向(物流の2024年問題)