はたらくトラック大図鑑
緑ナンバーはプロの証。現役トラックドライバーが、自慢の愛車と仕事への情熱を語る!
牛乳タンクローリー



液体や気体を運搬するため、荷台に大型タンクを備えた車両をタンクローリーと呼びます。中でも、生乳のみを運搬する車両は牛乳タンクローリーと呼ばれ、運送業界では集乳車という名称でも知られています。各酪農家で搾乳された生乳は、この牛乳タンクローリーによって工場へ運搬され、殺菌処理の後、スーパーやコンビニへと出荷されているのです。この車両で1回に集乳できる量は約5500ℓ。1日に3回は牛乳工場へ運搬するので、毎日約15000ℓ以上の生乳を運んでいます。
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このタンクは簡単に言うと巨大な魔法瓶のようなもので、中の温度変化が少ないのが特徴です。また冷たい生乳を大量に入れるので、運搬中も温度はほんの1~2度程度しか変化しません。そのため、たとえ真夏であっても高品質を保ったままの輸送が可能なんです。

タンクの中は仕切り板で分割されています。これは大量の液体を運搬する車両にとって、とても重要な機能。運転中、ブレーキやアクセルを踏むとタンク内の液体は波打ち、その揺れが車体の横転を引き起こすことも。この仕切り板はそういった液体の揺れを抑制し、車両の安全な運転を支えています。

タンク内の生乳量を正確に測定するだけでなく、各酪農家へ渡す伝票も印刷できる優れ物。昔は定規のメモリを目安にタンク内の生乳量を把握していたので、トラックも進歩したなと…(笑)。積載物の重量を正確に把握することは安全運転にもつながるので、多くの面で助けられています。

ドライバー/武さん
(ドライバー歴30年)
かつてはサラリーマンとして会社勤めをしていたが、結婚を機に、23歳でドライバーの世界へ。1年目から牛乳タンクローリーを運転し、それ以降30年に渡り同車を運転するベテランドライバー。1200ccのバイクで行くツーリングが、最近の楽しみ。