はたらくトラック大図鑑
緑ナンバーはプロの証。現役トラックドライバーが、自慢の愛車と仕事への情熱を語る!
生コンクリートミキサー車



生コンクリートミキサー車とは、荷台の回転式ドラムで生コンクリートを輸送するトラックのことで、アジテータ車という名称でも知られています。荷台のドラムが回転するのは、輸送中に生コンクリートが固まるのを防ぐためでもありますが、実はもう一つ重要な役割が。それは生コンクリートを中で攪拌(かくはん)すること。コンクリートは水やセメントなど比重の異なる素材を混ぜて作るため、放っておくと各素材が分離してしまいます。そのため運転中も常にドラムを回転させ、攪拌する必要があるんです。トラック名のアジテータも、英語のagitator=攪拌器(かくはんき)に由来します。
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生コンの量は粒米(りゅうべい)という単位で表し、このドラムでは5粒米、約10tの生コンを輸送することができます。またドラムの回転スピードは状況に応じて変更が可能。運転中は一定の速度を維持し、輸送先の工場ではエンジンの回転数に対応させてドラムの回転速度を上げることで、スピーディーな排出ができます。

タンクの中は空洞ではなく、スクリュー状の羽がついていて、これがドラムと一緒に回ることで生コンを攪拌します。普段、この羽はドラム内側へ向け回転していますが、ドラムを逆回転させることで羽が外方向へと生コンを掻き出し、排出を行う仕組みになっています。

給水タンクの水はトラックの洗車に使われます。トラック後部にはシュートと呼ばれる生コンの排出レールがありますが、作業後にすぐ洗浄しないと付着した生コンが凝固し、次の排出の妨げになってしまいます。作業効率を上げるためにも、排出後の洗車は欠かせないのです。

ドライバー/鈴木徹郎さん (ドライバー歴5年)
28歳のときに、父からの誘いもあり三共陸上輸送株式会社入社。アジテータ車のドライバーを5年務め、現在は同社で専務取締役を務めている。専務取締役となった現在でも、ドライバーに欠員が出た際は、自身でトラックを運転することも。