令和7年度 神奈川県への予算要望に対する回答について

令和6年7月16日に自由民主党神奈川支部連合会を通じて神奈川県へ要望した回答について示されましたのでお知らせいたします。

1.燃料高騰支援措置について

(要望要旨)

 今後もトラック運送業界が国民の暮らしと企業活動を支えるライフラインとして存続していくためにも、燃料高騰に対する更なる支援策の実施について図られたい。

(産業労働局からの回答)

 県は、物価高騰や人手不足といった課題に直面している中小企業に対して、生産性向上に資する設備導入への支援、小規模企業のデジタル化への支援を行うとともに、補助した事業者に対して、経営や技術の専門家を派遣し、継続的にフォローアップを実施しています。

 また、神奈川県中小企業制度融資では、原油・原材料高騰等の影響を受けた中小企業者等を対象とした「原油・原材料高騰等対策特別融資」により、中小企業者などの事業継続を支援しています。

 さらに、燃料の高止まりを受けて、特に影響を受ける中小貨物運送事業者に対し、激変緩和措置として燃料価格の高騰分について支援金を交付してまいりました。

 しかし、本来であれば燃料価格の高騰分は運賃に価格転嫁されることが望ましいため、適正な運賃での取引について、荷主である親事業者に要請するなどして、引き続き地域経済のインフラとして重要な役割を担っている貨物運送事業者を支えてまいります。

 なお、燃料油の価格安定に向けては、国が責任を持って全国統一的な対応を実施するよう、全国知事会を通じて国に要望しています。

2.人材確保対策による免許資格取得支援について

(要望要旨)

 (1)「大型等運転免許取得推進事業」の継続実施と対象の追加

 (2)「大型自動車一種運転業務従事者育成コース」の継続実施と、中型・準中型免許等育成コースの新設

 (3)特定教習への支援について

(産業労働局からの回答)

(1)について、県では、物価高騰により「物流の2024年問題」への対応が遅れている貨物運送業界を支援するため、従業員に大型一種、中型一種または準中型免許を取得させた中小貨物運送事業者に対し、令和5年12月補正予算により、大型等運転免許取得促進奨励金を交付する事業を実施しています。本事業については、国の財源を活用していることから、継続や対象の拡大などを含めた今後の支援策は、国の動きを踏まえ、必要に応じて検討してまいります。

(2)について、「大型自動車一種運転業務従事者育成コース」は、今年度も実施に向けて計画しておりますが、本コースを実施できる自動車教習施設は県に5校と限られるうえ、国が定める委託費の上限単価は全国一律で、県内の平均的な免許取得費用と比べて安価であること、かつ受託要件が厳しいことから、受託先が確保できず、実施が不透明な状況にあります。
 また、「中型免許・準中型免許等の育成コース」については、国の委託訓練実施要領に定められていないため、現状、実施することはできません。
 以上の状況を踏まえ、引き続き、委託料の見直しや中型免許等取得コースが実施できるよう、国に対し、同要領の改正を要望してまいります。

(3)について、県では、大型等の運転免許取得促進に重点的に取組むため、奨励金を交付する事業を実施しており、受験資格特例教習と免許取得のための教習が連続していた場合は、その目的に合致すことから対象経費としています。
 なお、受験資格特例教習単独での費用助成については、免許取得に直接繋がらないため、実施は難しいと考えています。

3.貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直しについて

(要望要旨)

 物流の効率化による貨物自動車運転者の労働条件の改善は過労運転の防止等にもつながっており、交通安全の確保に資することも踏まえ、事故防止の観点からも、路外の駐車スペースが少ない場所を中心に、集配に係る駐車に関する規制緩和について、交通実態等に応じたきめ細やかな取組みを図られたい。

(警察本部からの回答)

 県警察では、従前から交通実態や駐車需要に配慮し、駐車規制の見直しを推進しております。
 今後も関係機関・団体等に対し、駐車需要に見合った路外駐車施設・荷捌きスペースの確保について、働きかけを行うとともに、物流事業者や地域の方々の要望・意見を踏まえ、貨物集配中の車両に係る規制の見直しを図ってまいります。

4.「物流革新に向けた政策パッケージ」に係る荷主・消費者の行動変容について

(要望要旨)

「2024年問題」により従来のようにモノが運べなくなる可能性があることから、中長期的な視点で、「物流革新に向けた政策パッケージ」を基に、荷主企業および県民に向け広報を通じた普及の促進を図られたい。

(産業労働局からの回答)

 県では、物流の2024年問題に対応するため、貨物運送事業者が適正な運賃を確保できるように、親事業者に対する取引価格の適正化の要請や、再配達の削減に向けた、県民の意識改革や行動変容を促すための「県のたより」やホームページを活用した広報を実施してきました。

 今後とも、業界団体と連携するなどして、さらなる周知を行い、物流負荷の軽減に取り組んでいきます。

※参考 神奈川県HP<物流革新に向けた動向(物流の2024年問題)