神奈川県トラック協会とTOKYO GRAFFITIがコラボし、物流業界を盛り上げる!

はたらくトラック大図鑑

緑ナンバーはプロの証。現役トラックドライバーが、自慢の愛車と仕事への情熱を語る!

ーフティーローダー

セーフティーローダーとは、乗用車をはじめ、重機などの産業車両を安全に運搬するためのトラック。荷台部分がスライドし傾斜がつくことで、車両の積み下ろしをスムーズかつ安全に行うことができます。運搬する車両は、ユンボやブルドーザーからホイールローダーとさまざま。セーフティーローダーを運転するドライバーは、それらの運搬車両を自ら運転し荷台へ積むので、多種多様な免許を取得しないといけないんです。
※ユンボ:油圧ショベルを搭載した掘削用建設機械。ショベルカーやバックホーと呼ばれることも。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

意外と繊細な作業なんです!

荷台が傾斜し車両の積み込みがスムーズに。手元のリモコンで荷台を操作するのですが、スライドした荷台が地面に擦れて傷つけないよう、慎重に操作します。積み下ろしのときはトラックの全長が長くなるため、周囲の安全確認もマスト。トラックが大きい分、操縦は丁寧に。

推しポイント NO.2

荷を固定するためのガッチャ

荷台の車両を固縛するためのベルトを、ガッチャと言います。このセーフティーローダーに積まれたガッチャは合計で8本。運ぶ重機の種類や台数によってガッチャの取り付け方は変化するので、何通りもの結び方を覚えないといけないんです。

推しポイント NO.3

創業当時からのオリジナルカラー

紫色ではなくラベンダー色。やさしい色味のカラーリングがお気に入りです。今回取材した、いずみ重機株式会社の創業者が初めて乗ったトラックがこの色だったため、会社のテーマカラーに採用したそう。

ドライバー/峯尾さん(ドライバー歴5年)
生コン輸送車を運転していた父の影響を受け、自身もトラックドライバーの道へ。4tトラックのドライバーを経て、現在のセーフティーローダー運転者となる。ドライバーとして、地方を回るのが仕事の楽しみ。プライベートでは2歳と3歳の子どもを育てる、父親の一面も。

ニック車

トラックにクレーンが取り付けられた車両を一般的にクレーン車と呼び、その中でも積載型のトラックに小型のクレーン(ユニック)が取り付けられた車両は、通称ユニック車と呼ばれます。人力で持ち上げるのが困難な建築資材などを、荷上げ・荷下ろしする際に重宝し、足場の良くない現場でも作業が可能な汎用性の高い車両。クレーンで積荷を安全に吊るせるよう、ドライバーは玉掛け免許という、積荷を固縛するための免許を取得しています。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

この車両の象徴「ユニック」

ユニックの長さは4段階で調節が可能。最も短くて約2m、最長で約20mまで伸ばすことができます。吊るすことができる重量もユニックの長さに比例して変化し、2mのときは約2t、20mのときで約700kgの積荷を引き上げることができます。

推しポイント NO.2

安全を担うユニック車の「足」

この足は正式名称を「アウトリガー」と言います。吊るした積荷を左右に振った際、積荷の重さにあおられて、車体が転倒するのを防ぐ役割を担っています。そばにあるレバーで操作し、傾斜のある現場では車体を並行に保つためにも使用。事故が起きないよう踏ん張りを効かせる、まさにユニック車の「足」ですね。

推しポイント NO.3

これがないと成り立たない!

よく見ると、ユニックの付け根には荷重指示計という分度器が付いているんです!この分度器を見れば、そのときのユニックの角度から、ユニックの長さや吊るせる重量が一目で判断できます。ユニックの操作をするときにはこの荷重指示計が操作の目安になるので、目立ちにくいけどなくてはならない存在です。

ドライバー/平野剛久さん(ドライバー歴30年)
出身は九州。高校時代は自動車の整備学校に通っていたが、運転も好きだったためドライバーになることを決意。運転者として就職したのを機に上京し、横浜でトラックドライバーとなる。趣味はゴルフで、月に1回程度はラウンドを回るそう。

魚運搬車

生きた魚を市場や活魚屋へ輸送する活魚運搬車。荷台には6個の水槽が装備されており、全ての水槽の水温を別々で管理が可能なので、魚の種類によって水温を分けながら運搬します。海水を海から直接吸い上げ酸素を供給しながら運搬するので、水槽内は海中と同じ環境になり高品質の運送が可能に。扱う活魚はカンパチ・ハマチ・ヒラメ・タイなどの魚に加えて、ホタテなどの貝類までさまざま。一つの水槽に入る魚の数は約150匹なので、1台で約1000匹の活魚を運搬することができるんです。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

活魚運搬車の荷台からの景色

このトラックには水槽が6個あります。水槽一つあたりの積載量は、海水と魚を合わせて3t。1台で合計18tの荷物を運搬することになります。魚を積み込むときは荷台での作業がメインなので、雨や雪の日は作業が大変なんです。誤って落下しないよう、安全に注意しながら作業を行います。

推しポイント NO.2

水槽の機能をご紹介!

水槽のそばには、水中に酸素を供給する酸素バルブが付いています。水槽内には照明も付いていて、これは魚の様子を確認しやすくするため。縁にある仕切り用レールに網目状の板を取り付ければヒラメなどの平べったい魚を重ならないように積み込めます。サイズごとの管理が可能になるだけでなく魚を傷つけることなく運搬できます。

推しポイント NO.3

活魚運搬車ならではの機能

海水を直接、海から吸い上げる吸水口。現場に着くと、まずはこの吸水口にホースを取り付け、水槽の中へと海水を汲み上げます。6個全ての水槽を水で満たすのには、約1時間から1時間30分ほどの時間が必要なんです。

ドライバー/舛谷義孝さん(ドライバー歴30年)
バスドライバーだった父の影響を受け、トラックドライバーに。南は九州、北は北海道まで活魚を運搬している。現在勤務している山立水産運輸では、ホタテなどの貝類を韓国と中国まで運搬しており、舛谷さんも国際免許を取得して韓国で活魚運搬車を運転した経験を持つ。

芥車

塵芥車(じんかいしゃ)とは、一般的にパッカー車やゴミ収集車という名前で知られる、トラックの正式名称です。家庭ゴミ(一般廃棄物)や工場・お店・オフィスなど事業を伴う場所から出る廃棄物(事業系一般廃棄物・産業廃棄物)を、中にある圧縮板を用いて圧縮しながら収集することで一度に多くの廃棄物を運搬することが可能。また圧縮式の塵芥車は、冷蔵庫や電子レンジ程度なら簡単に粉砕・圧縮できるほどパワフルなのも特徴です。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

力強いプレス式の圧縮

手前のプレートでゴミを粉砕し、圧縮しながら収集する仕組み。冷蔵庫や電子レンジくらいなら、軽々粉砕できるほどのパワーがあります。作業員がゴミを中に投げ入れているのは、この機械に巻き込まれて事故が起きないよう、安全面に配慮しているからなんです。

推しポイント NO.2

実はこんなに開くんです!

塵芥車にあるゴミの投入口は、「ホッパ」と呼ばれています。塵芥車を洗車するときは、このホッパを開いて中の清掃を行います。開いた状態で作業を行うときは、万が一にでも故障でホッパが落下してこないよう、安全装置の使用が必須です。

推しポイント NO.3

作業効率がまるで違う専用コンテナ !

専用コンテナに入れられたゴミであれば、傾倒装置を使って楽々投入することができます。これはどの塵芥車にでも付いているわけではなく、作業内容や回収物によって追加で設置できる機能。人力でやるよりもはるかに手間がかからず、作業員の体にやさしい機能なんです。

ドライバー/逵原啓樹さん(ドライバー歴29年)
ドライバーだった父親の影響を受け、自身も運転に興味を持つように。ドライバーになった当初は、大型車を運転することに憧れがあり、4tトラックや10tのダンプも運転していた。小さい頃からサバゲー好きで、今では多いときに週2~3回ほどサバゲーを楽しんでいる。

ISOコンテナ タンクローリー

タンクローリーとは、大容量の液体を運ぶ専用のトラックのこと。このタンクローリーでは、アルコール度数65~95%のエチルアルコールを飲料メーカーや酒蔵などへ輸送しています。運転中はブレーキを踏むたびにタンクの中の液体が揺れ、その揺れが横転などの大事故を引き起こすことも。焦らず慎重に運転することが求められます。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

後ろ3輪にはある秘密が…

タンクの中身が空になると、後ろ3輪のうち、前の2輪が浮き上がるんです。地面に接するタイヤの数が減ることで、タイヤの摩耗軽減や燃費上昇などのメリットが見込めます。さらに、高速道路料金も特大車ではなく大型車扱いになるので経費もかなり削減できます。

推しポイント NO.2

珍しいカラーのコンテナ

世界共通のISO規格に則り設計されたコンテナ。コンテナは珍しい黄緑色。このあたりではわが社、内外液輸だけなんです。

推しポイント NO.3

女性でも運転しやすいハンドル

従来よりも小さめに設計されたハンドル。ハンドルが小さいだけで、小柄な女性も運転姿勢を調節しやすく、長距離の運転も楽になります。

ドライバー/大和田さん(ドライバー歴22年)
事務職と営業職を経験後、友人が勤めていたトラック会社に就職。当時運転していた2tトラックで子どもを迎えに行ったところ、子どもが喜んだのをきっかけにより大きいトラックに乗りたいと感じるように。無事荷物を届け終わり、帰ってきたときに感じる充実感が日々の幸せ。

低床冷蔵加温ウィング車

厳重な温度管理が必要な医薬品や食料品を輸送するトラック。荷台の冷蔵庫は20℃からマイナス25℃まで温度調節が可能で、両側が開くウィング車なので荷積・荷下ろしをしやすいのが特徴です。また、通常運転席上部にある冷蔵機を荷台に移すことで、立って着替えもできるハイルーフの運転席を実現。見た目良し、機能良しのトラックです。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

まさに縁の下の力持ち!

追突されたときの衝撃を緩和するリアバンパー。このトラックではリアバンパーが足場の役割も果たしています。荷物の積み下ろし時にこの足場があるだけで、転倒などの事故を未然に防ぐことができる。一人二役でドライバーの命を守る、重要な部品なんです。

推しポイント NO.2

保冷を担うキャッチ

キャッチとはウィング扉を施錠するロックのこと。このトラックには計14個のキャッチがついているので、室温の変化が少なく高品質な輸送が可能に。

推しポイント NO.3

こだわりの3本線

本来2本のサイドバンパーをあえて3本にすることで、自転車の巻き込みを防止しながら、重心の低いドシッと構えた外観に。中には工具箱を収納しています。

ドライバー/加藤圭介さん(ドライバー歴24年)
若い頃から車の運転にハマる。高校卒業時により大きな車に乗りたいと思い、トラックドライバーになることを決心。大型トラックの運転は今年で6年目になるが、今では仕事が休みの日にも会社まで訪れ、半日かけて自分のトラックを洗車するほどのトラック好きに。

セミトレーラー

ゼブラ柄が特徴のセミトレーラー。最大積載量は29t。荷物が積まれたトレーラーをトラクターが牽引することで、木材や鉄筋、食品などを一度に大量に運搬できます。このセミトレーラーでは配管パイプなどの原料となるコイルを運輸していて、最大で20tほどのコイルを乗せて、1日に360kmの道のりを走ることもあるんです。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

運送業界でひときわ目立つゼブラ柄

大草原でも目立つシマウマをイメージし、物流業界で唯一無二の存在となるべく生まれたゼブラ便。ただ、目立つということは常に誰かに見られているということ。この柄を見ると、ドライバーとして交通ルールを守り安全運転を心がけなければと背筋が正されます。

推しポイント NO.2

オーダーメイドの船型

筒型のコイルを固定するための船形。以前まではコイルの固縛に1時間かかっていましたが、船型のおかげで今では15分程度で固縛できるので、圧倒的に楽です。

推しポイント NO.3

斜めのスタンション

スタンションは荷台から荷物が落下するのを防止する部品です。このセミトレーラーの場合、コイルを立てかけるために斜めに設計されいるのが特徴的。

ドライバー/宮城さん(ドライバー歴5年)
以前は当社が所属している協同組合内のガソリンスタンドに勤務していたが、そこでトラックやドライバーと接するうちに自分も乗りたいと思うように。ドライバーになるため大型免許や牽引免許を全て自費で取得。私生活でもマニュアル車を運転し、奥さんにもマニュアル免許を取得させたそう。

ダンプトラクターヘッド

トレーラーを牽引するトラクターヘッド。その中でも、後ろのコンテナを持ち上げる(ダンプアップする)ことができるものを、ダンプトラクターヘッドと言います。これはコンテナの中に入っている、大量の小さな輸送物をスムーズに排出するため。このトラックでは、主に大豆やモルト、プラスチックレジン(プラスチック容器の原料)などを輸送しています。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

大迫力のダンプアップ

運転席の中に荷台を上げるためのボタンがついていて、アクセルでそのスピードを調節。鉱石など重いものは、速めに上げて勢いをつけ、大豆などの軽いものはゆっくり上げます。運搬物や受け入れの先の設備に応じた上げ方が要求される、繊細な作業なんです。

推しポイント NO.2

日本で主流の「ホイスト式」

油圧シリンダーやリフトアームなどを組み合わせて荷台を上げる、「ホイスト式」が日本では主流のやり方。テレスコピック式と言われる海外のダンプアップに比べて、リフトアームがついている分、見た目もゴツくて安心感がありますよね。

推しポイント NO.3

長めのホイールベース

このトラクターヘッドは、荷台を上げるリフトがある分、車輪の間のホイールベースが長めに作られています。設計上そうなっているだけなんですけど、長いほうが個人的には乗り心地がいいんですよ。運転しているときも、跳ねが少なくて快適に走行できます。

ドライバー/清水佳人さん(ドライバー歴30年)
父親がドライバーだった影響もあり、自身もトラックの運転者に。父親の会社で8年間勤めたあとに、現在勤務している会社へ就職。実は子どもの頃に、現在勤めている会社の海上コンテナトレーラーを目撃して憧れていたとか。趣味は、月一回奥さんと一緒に回るゴルフ。

10tトラック

会社の設立60周年を記念してオーダーメイドした10tトラックです。60歳は人間でいうと還暦の歳なので、ボディは赤色に。主な輸送物は、建築資材や液体を入れる容器です。この車体で関東から九州まで、数日かけて回ることも。

私のトラック推しポイントBEST3

推しポイントNO.1

他社にはない、派手な赤色!

会社創立60周年記念という、還暦の歳にちなんだ赤色。取引先や同業者からも一発で覚えてもらえる、特徴的なカラーです。デザインにこだわったトラックなので洗車は欠かせないですし、目立つ分、荒い運転はできないなと気を引き締められます。

推しポイント NO.2

快適な車内生活にはマストの機能

エアーサスペンションで、車高を上げ下げできるんです。車体の前後別々で高さを調節することも可能なので、傾斜のある場所では、傾斜の向きに合わせて車高を調節し、車内の平行を確保。車中泊もあるので、中で快適に過ごすには必要不可欠な機能なんです。

推しポイント NO.3

山道も安全に走行できる

車体下、オレンジライトの下の白いライトは、僕が社長にお願いして付けてもらったので、要望が叶って嬉しかったですね。これだけライトが多いトラックは珍しいですが、夜間走行中に、サイドミラーに映るライトがきれいなんですよ。

ドライバー/桝田泰孝さん(ドライバー歴29年)
トラック運転者を目指したきっかけは、小さい頃、親戚のドライバーにトラックに乗せてもらったこと。ドライブや車いじりも好きだったため、迷わずにドライバー業界へ就職。趣味は音楽鑑賞で、運転中もロックなど幅広い音楽をかけているそう。トラックドライバーをする上での楽しみは、いろいろな地域の景色を見たり、その地域の食べ物を味わうこと。